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祇園祭リボーン

 七月の一ヶ月間、京都の街を彩る祇園祭。神輿渡御と山鉾巡行を軸に、さまざまな祭事が行われ、駒形提灯が祭の夜を照らす。2023年、祭は四年ぶり、本格的に復活する。

 祇園祭の由来は平安時代まで遡る。頻発する疫病や自然災害を鎮め、国と民の安寧と幸福を願い、神泉苑に神輿を送ったのがその始まりだ。

 千年もの歴史をもつ祇園祭。そこにはさまざまな不思議と謎が潜む。

 たとえば、ご祭神「素戔嗚尊」と習合していた「牛頭天王」という疫神。家々の門戸に掲げられる「蘇民将来之子孫也」という文字。祭に表出する霊獣や瑞祥の造形。水と神仙世界の物語。中国思想を研究する筆者の立場から、祇園祭の歴史に深く眠る古層を掘り起こし、あらたな眼で祇園祭を再発見する。(水野杏紀)

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著者略歴

  1. 水野 杏紀

    大阪府立大学大学院博士課程修了。人間科学博士。現在関西医療大学・奈良県立医科大学非常勤講師。熊猫学舎文化研究所・熊猫学舎塾主宰。中国思想(易・陰陽五行・風水、養生・本草、瑞祥・神仙)などを研究。祇園祭については五本の論文を発表。都のまつり文化研究会会員。単著に『易、風水、暦、養生、処世 東アジアの宇宙観(コスモロジー)』(講談社、2016)、他の著述として、「土御門家私塾「齊政館」における術数書研究と出版」(梅田千尋編『新陰陽道叢書』第三巻、名著出版、2021)などがある。

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